Q:「鉄筋探査」とは何ですか?
A:簡単に言えば構造物を破壊せずに(非破壊で)コンクリートの表面から鉄筋などのある位置を確認し、鉄筋、電気配線管、シース管等の切断事故を防ぐために行う探傷です。
コンクリート構造物の鉄筋の配筋状況、かぶり厚などを調査し施工管理状態の品質を確認するために探傷することもあります。
改修工事、耐震補強工事などに施工されるコア削孔工事やあと施工アンカー工事の鉄筋切断を防ぐため、鉄筋位置の確認調査で施工作業前に実施されています。
Q:探査する表面が濡れている場合、または雨天時は可能ですか?
A:大抵の鉄筋探査機は探査する表面が濡れている場合は、探知できないことがあり、雨天時に鉄筋探査をすることは難しいとお考えください。
Q:探査深さはどれくらいですか?
A:使用する機器などにより変わってきますが、おおよそ200mmまでの第一鉄筋、そして第一鉄筋の真下ではない所にある第二鉄筋等もピッチによりますが400mmくらいまでは可能とお考えください。
Q:探査精度はどれくらいですか?
A:広い範囲を探査する場合、誤差の累積などあり数cm変わってきますが、狭い範囲では10mm程度(指一本分)とお考えください。
Q:1日どのくらいの作業量ですか?
A:探査箇所の状況、足場の状況、配筋の状態、求められる物などにより大幅に変わります。まずはご連絡ください。
Q:どんな場所でも可能ですか?
A:基本的に、作業員と装置が入れば可能です。ただし、コンクリート表面を金属で覆っている箇所や水溜りなど物理的に無理な場合もあります。
また、装置の高さが干渉する事例が多いので狭い箇所が対象となる場合はご連絡ください。
Q:精度的にはどの程度ですか?
A:探査箇所の配筋状態などによりさまざまな影響を受けるため、一概には言えません。
もし、顧客先の了解を得ることができれば、実際に一部ドリルにて小穴を開けて探査結果と比較し、誤差について確認して頂くことも可能ですが、躯体に傷を付けてしまうことになるので推奨は致しません。
Q:新設が設計通りできているか不安ですが、壊さなければ確認できませんか?
A:鉄筋探査では、構造物を傷つけることなく調査できます。(配筋ピッチ・被り)
Q:鉄筋探査を依頼する場合、現場状態はどのようにしておけばいいですか?
A:探査面は、極力凹凸の無いようにお願いいたします。また、ほこり等ありましたらマーキングできませんので取り除いておいてください。
どうしても凹凸が激しい場合は先立ってご連絡をお願いします。コンパネ等を代用し、できるだけ精度の高い探査に努めます。
Q:CAD作成は可能ですか?
A:可能です。
Q:「最小かぶり」とは何ですか?
A:設計値の最小かぶりではなく、構造上必ず確保しなければならないかぶりを言います。
コンクリート標準仕方書 構造性能照査編より抜粋
[改訂]コンクリート橋編 6章 構造細目 6.6.1 鋼材のかぶり
- コンクリートと鋼材との付着を確保し、鋼材の腐食を防ぎ、火災に対して鋼材を保護するために、必要なかぶりを確保しなければならない。
- かぶりの値を、鉄筋の直径以上かつ表-6.6.1に示す値以上とする場合は、1項を満足するとみなしてよい。
表-6.6.1 最小かぶり(mm)
部材の種類 | 床版、地覆、高欄、支間10m以下の床版橋 | けた | |
工場で製作されるプレキャスト部材 | 左記以外のけたおよび支間が10mを超える床版橋 | ||
最小かぶり | 30 | 25 | 35 |
・これにより、2の規定値によらずに塗装鉄筋や電気防食やその他新技術の採用が可能。